<赤丸の部分には木のヤグラが埋め込んであります。高さは家ほどもあります。水草も生え始め、魚も鳥も集まるようになりました。手前のコンクリートの部分は、従来のコンクリート工法。いずれすべての川が緑でおおわれることが期待されます。>
- 入間川の支流 小畦(こあぜ)川の堤防工事は、今は、コンクリートが見えない多自然工法によっておこなわれています。
- かつての国の河川管理の考え方は、川を直線にして、降った雨は一刻も早く海に流す、というものでした。
河川敷の中にある樹木も流れの障害になるので、削除する、というものでした。
護岸工事は「百年確率」で設計されていました。 - 中国では、川を治めるものが皇帝になるというぐらい昔から河川工事は大事な国家事業でした。
- 愛媛県の五十崎(いかざき)でも、河原の榎の大木や林を撤去し、コンクリートの無機的な護岸の改修工事をはじめるところでした。
コンクリートの護岸では、水生植物も育たず、水の自然浄化作用もはたらかず、魚もすまなくなります。
住人の亀岡徹は、「よもだ塾( いい加減塾)」をおこし、川について勉強を始めました。
スイスに行ったり、人口6000人の町で、「国際河川シンポジウム」を開いたりしました。 - 川は、洪水対策のためにあるのではなく、生物の生きる場であり、散歩、スポーツの場であり、美しい自然環境によって地域の風土や文化を育てる場でもあると、結論づけました。
- 五十崎町の住民が、建設省の河川行政を転換させました。
今はなき、建設省の関正和もキャッチャー役として政策転換を推し進めました。
こうして現在、国は河川には多自然型工法でのぞむようになりました
<川中の木も切られることなく、保存されるようになりました。「まちと水辺に豊かな自然を」と五十崎(いかざき)の住民が声を上げ、国を動かした成果です。>
- 関正和『大地の川―甦れ、日本のふるさとの川』
- 田村明『まちづくりの実践 』岩波新書、1999年
- 多自然型工法 【画像】
- 多自然型護岸工法
- 近自然工法多自然工法の歴史。近自然工法とは多自然工法のことです。
- 多自然型川づくり 国交省
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